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手習(てならい)の古蹟 - The Writing Practice Site

      2015/11/22

源氏物語第五十三帖のあらすじ
死ぬつもりで宇治の川べりを徘徊して倒れていた浮舟は、横川の僧都に助けられ、妹尼の手厚い看護を受けて回復しますが、心ならずも生き長らえたことを悲しみ、泣き暮らしていました。そして、妹尼の亡き娘の婿に求婚されたことから、剃髪して尼になり、静かに暮らします。こうした事情は明石中宮の耳に入りますが、浮舟のことが忘れられず、悲しい思いで沈んでいる薫君(かおるのきみ)の様子を見て、このことを薫君に知らせます。

手習の古跡と源氏物語

宇治橋東詰から府道7号を北へ600mほど行った西側に、宇治石に「手習の杜」と刻んだ大きな石碑があります。ここが手習の古跡で、この石碑は1970年に宇治市文化財愛護協議会によって建立されたものです。この辺りは十世紀中頃に営まれた、朱雀上皇の離宮「宇治院」の跡ではないかといわれています。「手習」の巻の中に、「故朱雀院の御陵にて宇治の院と言ひし所」で「森かと見ゆる木の下」に浮舟が倒れていたとの描写があります。江戸時代になると、ここに観音堂が建ち、本尊の聖観音立像は土地の人々によって、「手習観音」とよばれ多くの信仰を集めていたようです。現在この手習観音は、興聖寺に安置されています。
横川の僧都に助けられ洛北小野の里に連れていかれた浮舟は、そのつれづれの生活を慰めるため、手習いをしながら歌を詠みます。
「身を投げし涙の川の早き瀬を しがらみかけて誰かとどめし」

手習の古跡


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【名称】手習の古蹟(てならいのこせき)
【最寄駅】京阪電車宇治駅から徒歩約9分、JR
奈良線宇治駅から徒歩約17分

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