総角(あげまき)の古蹟 - The Ancient Agemaki Site
2015/11/22
総角の古跡と源氏物語
源氏物語散策の道、「さわらびの道」の中頃、大吉山の登り口に「総角之古蹟」と刻まれた大きな石碑があります。そこから程近い宇治上神社の拝殿脇の名水「桐原水」が「総角の水」ともいわれていたことから、この周辺が総角の古蹟になったと言われています。
「総角」の巻名は、八宮(はちのみや)の一周忌の佛前に供えられた名香の糸飾りに託して、薫君(かおるのきみ)が、大君への思いを詠んだ
「総角(あげまき)に長き契りを結びこめ おなじ所によりもあはなん」
という歌によります。
源氏物語第四十七帖のあらすじ
八宮(はちのみや)の一周忌の日に、薫君(かおるのきみ)は大君に想いを訴えますが、独り身を通すつもりの大君は妹の中君との結婚を勧めます。想いを遂げられない薫君は、匂宮(におうのみや)と中君が結ばれることで大君の心が得られるものと考え、策をめぐらせて二人を結ばせます。しかし、匂宮の訪れが遠のき、結婚の噂が流れてきたことから、責任を感じた大君は悲嘆のあまり病の床に伏してしまいます。見舞いにきた薫君の献身的な看護に大君ははじめて心を開きますが、薫君に見守られて清らかな生涯を閉じます。薫君は悲嘆にくれ、そうしてその面影は消ゆる事なく、やがて迎える新たな恋も次第に悲しい色につつまれて行くのでした。
大きな地図で見る
【名称】総角の古蹟(あげまきのこせき)
【最寄駅】京阪電車宇治駅から徒歩約9分、JR奈良線宇治駅から徒歩約16分