早蕨(さわらび)の古蹟 - The Ancient Sawarabi Site
2015/11/22
源氏物語第四十八帖のあらすじ
父についで姉も失った中君は、寂しい日々を送ります。薫君(かおるのきみ)は、宇治を訪れ、大君を失った悲しみを中君に打ち明けますが、大君の亡き面影を中君に認め、複雑な思いになります。中君は匂宮(におうのみや)の二条院に迎えられ幸せな日々を送りますが、薫君がたびたび顔を見せるようになり、匂宮は嫉妬を感じるようになります。また、薫君は夕霧左大臣の娘六君との縁談を勧められますが、大君の死によって世をはかなんだ薫君はこれを断ります。
早蕨の古跡と源氏物語
宇治上神社の参道を下った左側、宇治神社北東の角に、「早蕨之古蹟」と刻まれた小さな石碑があります。この碑は1988年、宇治市文化財愛護協会によって建てられたものです。
「早蕨」の巻名は、父八宮(はちのみや)に続いて姉の大君まで喪い、独りになった中君の許に、宇治山の阿闍梨(あじゃり)から春の便りにと、籠に入れられた蕨や土筆が贈られてきます。その温かい心に感動した中君が、
「この春はたれにか見せむ亡き人の かたみにつめる峰の早蕨」
と返歌した歌によります。
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【名称】早蕨の古蹟(さわらびのこせき)
【最寄駅】京阪電車宇治駅から徒歩約9分、JR奈良線宇治駅から徒歩約16分